2つの神聖な歌 作品30
Two Sacred Songs Op.30
I.Zloze Na Panskim Stole(I shall offer on the Load's table)
II.Glodny Chodze Po Miescie(Hungry I walk around the city)

1971年7月作曲

バリトン、ピアノ


作品30aはピアノ伴奏、30bは高音木管を除く管弦楽伴奏。
歌詞はMarek Skwarnicki。



ロナン・コレット、バリトン  ステファン・デ・プレッジ;ピアノ
Ronan Collett,Baritone  Stephen de Pledge,P.
2008年  Landor
I.3:04  II.2:04
この曲の世界初録音。1曲目は、狭い音の動きから、協和音を基にした祈るような音楽が聴こえる。
2曲目は、交響曲第2番や作品38などの流れを汲んだ、混んだ和音の上で広がる祈りの狂喜。
5分ほどしかない作品ですが、この時期の作風をきちんと聴けるのが良い。
実は2曲目がけっこう気に入ってたりする。
演奏は、遠い録音ではありますがまあまあしっかり聴けます。



















泣きながら出て行った人は 作品32
They who go forth and weep Op.32

1972-73年作曲
1975年8月31日初演
混声合唱


歌詞は詩篇より。グレツキ最初の無伴奏の合唱曲。



シカゴ交響合唱団、シカゴ・リリックオペラ合唱団  ジョン・ネルソン指揮
Chicago Symphony Chorus & Chicago Lyric Opera Chorus  John Nelson,Conductor
1994年4月  Elektra Nonesuch
8:36
残響が美しい模範的演奏。入手も容易だし、これ以上とりたてて望むものはないでしょう。


ポーランド・ラジオ合唱団クラクフ  ハーマン・エンゲルス指揮
Polish Radio Choir,Krakow  Herman Engels,Conductor
2011年6月1-3日  Phaedra
9:09
悪くないけれどちょっと散漫な感じ。聴きやすくはあるけれど…


イギリス・ナショナル・ユース合唱団  マイク・ブラウワー指揮
National Youth Choir of Great Britain  Mike Brewer,Conductor
2011-12年  Delphian
8:50
冒頭からのD-E-F音型の築盛する上協和音の美しさが実に綺麗。
盛り上がりのコントラストも良いし、バランスのとれた素晴らしい録音。
追悼盤のような立場としてこれだけのものが出されて本当に良い事です。

















三つの踊り 作品34
Three Dances Op.34
I.Presto, marcatissimo
II.Andante cantabile
III.Presto

1973年6-7月作曲
1973年11月24日初演
管弦楽[2.2.2.2 - 3.4.3.1 - timp(2) - str]





シレジアン・フィルハーモニー管弦楽団  ミロスワフ・ブワシュチク指揮
The Silesian Philharmonic Symphony Orchestra  Mirosław Jacek Błaszczyk,Conductor
2009年6-7月  DUX
I.2:54  II.5:55  III.6:15
一般流通ではおそらく初めての録音かも。
第1楽章のごつごつした土俗的なリズムと上協和なコード、彼らしいけれどあまりない作風。
第2楽章のミニマルで淡い美しさは、3年後の「交響曲第3番《を想起できるもの。
第3楽章もはっきりとしたリズムにのせてトッカータ風なメロディ。ただ進行は反復進行が基本で、この時期の彼らしい。
総体的に見て、この時期の魅力が十分に詰まった曲といえます。
ただ「踊り《という性格上明るい作風であることや、ちょっと構成的な妙が薄いことから
今まで全く世に出てきていなかったのでしょう。
演奏は、ちょっと遠いし響きが散漫だけれど十分楽しめます。


ワルシャワ・フィルハーモニー管弦楽団  アントニ・ヴィト指揮
Warsaw Philharmonic Orchestra  Antoni Wit,Conductor
2011年4月26日  Naxos
I.3:13  II.5:15  III.5:57
この曲の新しい録音が出てくれるとは嬉しい限り。
中期独特の、初期のように前衛的でも晩年のように諧謔と死の匂いがするわけでもない
分かりやすい荒々しさが聴ける、稀有な曲です。
演奏、残響が残る録音ですが音の鋭さは搊なわれていなくてちょうどいい。
第3楽章なんかは勢いが良くて好きだけれど、アンサンブルの纏まりはBłaszczyk指揮のほうがいいかな。
どちらを良しとするかは好み次第。

















広々とした水 作品39
Broad Waters Op.39
I.ああ、私たちのこのナレフ川が
II.ヴィスワ河畔が
III.おお、ヤン、ヤン
IV.彼女は野ばらを摘んで
V.広々とした水

1979年11月2-11日作曲
1987年4月28日初演
混声合唱



リラ室内合唱団  ルーシー・ディング指揮
Lira Chamber Chorus  Lucy Ding,Conductor
1994年4月  Elektra Nonesuch
I.4:21  II.1:12  III.3:38  IV.1:56  V.4:05
そんなに前衛的でもない普通の無伴奏の合唱曲集なので、普通に歌ってくれれば十分だと思います。
綺麗な録音状態及び演奏なので文句は全くありません。


クラクフ・ポーランド放送合唱団  ヴオジミェシュ・シェドリク指揮
Polish Radio Choir Cracow  Włodzimierz Siedlik,Conductor
2003年3月17日  Polskie Radio
I.3:57 II.1:09 III.2:55 IV.1:51 V.4:08
初めて出てきたこの曲の別録音。こちらのほうも素晴らしく綺麗です。
力の抜けた柔らかい歌い方が素晴らしい。
あまり大きな違いはないので、どちらかあれば十分でしょう。


シレジアン・フィルハーモニック合唱団  ヤロスワフ・ヴォラーニン指揮
Silesian Philharmonic Choir  Jaroslaw Wolanin,Conductor
2012年6/9月  DUX
I.3:53 II.1:00 III.3:53 IV.1:50 V.3:30
こちらを聴くと、Nonesuch盤は相当残響や加工が激しかったんだと再実感。
この演奏は無骨というか良くも悪くもポーランドの団体らしさが出ていて、
民謡編曲であるこの作品としてはこれくらいの方がそれらしいんじゃないかと感じます。





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