ヴァレンタインの小品 作品70
Valentine Pieces Op.70
1996年2月作曲
1996年2月14日初演
フルート、ベル
コンチェルト・カンタータの初演者であるCarol Wincencに献呈、初演。
アンナ・ウォルステンホルム;フルート オーウェン・ガネル;ベル
Anna Wolstenholme,Fl. Owen Gunnell,handbells
2008年 Landor
4:51
ついに出た、この作品の世界初録音。
2音から成る短い音形から開始される、ミニマルな音楽です。最近の彼らしい、間の多く、かつ暗い影のある曲。
最後にベルが鳴らされて曲が閉じられる。ちなみにベルの出番はこれだけ。
演奏はまあ健闘していますが、録音が遠くて臨場感がない。
でも、この曲を聴けるだけでもその価値は十分。単純ですがなかなか面白いです。
ヴァイオリンとピアノのための小幻想曲 作品73
Kleine Phantasie Op.73
1997年6月作曲
1997年10月12日初演
ヴァイオリン、ピアノ
ハノーバー国際ヴァイオリンコンクールのために作曲。
キンガ・アウグスティン;ヴァイオリン エフィ・ハックメイ;ピアノ
Kinga Augustyn,Violin Efi Hackmey,Piano
2011年2月3日録音 Naxos
11:42
「小幻想曲《はこれが初録音。ヴァイオリンソロの開放弦の和声に乗せて、ピアノが静かに旋律を奏でだす。
次第に瞑想的な音楽は発展しながら後期グレツキらしい荒々しさに乗せオスティナートされていく。
すぐに静まり、上気味な後奏になるのですが、後半部分はびっくりする位穏やかで綺麗な音楽も出てくる。
様々な楽想を豊かに組み上げる構成は初期の「変奏曲《と比較できると思う。
ただ、その要素はそのそれぞれがグレツキらしい楽想に満ちていて面白い。
演奏も音楽の移り変わりを表現してくれていて、ちょっと粗いけど素直に聴ける。
賛歌 作品76
Lobgesang Op.76
2000年作曲
年8月13日初演
混声合唱、グロッケン
ドイツ・マインツ市からの委嘱で制作。
活版印刷を生み出したヨハネス・グーテンベルクを称えるために依頼され、
彼の吊前から取られた音列C-B-A-E-Eflat-G-C-E-Bflat-E-D-Gが音楽の根幹となる。
歌詞は詩編から。
イギリス・ナショナル・ユース合唱団 マイク・ブラウワー指揮
National Youth Choir of Great Britain Mike Brewer,Conductor
Bethan Thomas,Glockenspie
2011-12年 Delphian
9:25
重厚な和音が終始響きわたるまさに賛歌のような音楽。
おそらく団体の特徴としてすでに和音の響かせ方が巧いので、音楽の安定感が凄い。
最後に打楽器(グロッケンシュピール)が淡く締めるあたり、Beatus VirやGood Nightあたりを連想させます。
ロサンゼルス・マスター・コラール グラント・ガーション指揮
Los Angeles Master Chorale Grant Gershon,Conductor
2012年6月12-14日 Decca
7:50
「賛歌《はグーテンベルグの生誕600周年を祝うために作曲された、彼の吊から取られた音吊を旋律にした作品。
冒頭の並行和音を聴いてると、まるで中世のオルガヌム。ただ、それ以降はそこに晩年グレツキらしい、豊かな和声で進行します。
最後に入るグロッケンの音階の響きは非常に印象的。
こちらの演奏は実に重厚な響きで素晴らしいです。
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