ハープシコード(またはピアノ)と弦楽のための協奏曲 作品40
Concerto for Harpsichord(or Piano) and String Orchestra Op.40
I.Allegro molto
II.Vivace, Marcatissimo

1980年1月作曲
1980年3月2日初演 1990年4月22日ピアノ版初演
ハープシコード(またはピアノ)、弦楽オーケストラ
[0.0.0.0 - 0.0.0.0 - 弦(ハープシコードの場合:6.6.4.4.2; ピアノの場合:8.8.6.6.4)]


ミニマル的な速い二つの楽章からなる、グレツキの“新しい単純性”探求の結果の一つ。
彼としては珍しい急のみの構成。
第一楽章はバロック音楽のトッカータ風であり、第二楽章はプロコフィエフやストラヴィンスキーを思わせる曲調。



エルズビエタ・ホイナツカ;ハープシコード
Elzbieta Chojnacka,Harpsichord
ロンドン・シンフォニエッタ  マーカス・ステンツ指揮
London Sinfonietta  Markus Stenz,Conductor
1994年12月17日  Elektra Nonesuch
I.4:36  II.4:14
落ち着いた演奏ですが、この曲が持つ魅力を存分に引き出している秀演です。
特に、まるで交響曲第三番を思わせるような第一楽章は素晴らしい。
この演奏があればとりあえず満足、といったところでしょうか。


ヤヌシュ・オレイニチャク;ピアノ
Janusz Olejniczak,Piano
シンフォニア・ヴァルソヴィア  イェジ・マクシミウク指揮
Orchestra Sinfonia Varsovia  Jarzy Maksymiuk,Conductor
2003年  BeArTon
I.4:21  II.3:35
ピアノ版による演奏。
演奏は気に障るようなものではありませんがやや荒めです。第二楽章はけっこう速め。
ただ、ちょっと勢いだけで崩壊ぎみ。あんまりお勧めしません。


アレクセイ・リュビモフ;ピアノ
Alexei Lubimov,Piano
ドイツ・カンマーフィルハーモニー・ブレーメン  ハインリッヒ・シフ指揮
Deutsche Kammerphilharmonie Bremen  Heinrich Schiff,Conductor
1995年9月 apex
I.4:12  II.3:59
ピアノ版になると響きが全体的に下のほうに集まりますね。
ただピアノは弦楽合奏に埋もれにくいので、どういう動きをしているか聴き取りやすいです。
演奏は誠実でしっかりしたもの。安心して聴けますが、第二楽章などもうちょっと派手にしても悪くなかったかも。
とはいえ、十分に素晴らしい演奏だと思います。


アンナ・グレツカ;ピアノ
Anna Górecka,Piano
アマデウス室内オーケストラ  アグニエシュカ・ドゥチマル指揮
Amadeus Chamber Orchestra  Agnieska Duczmal,Conductor
1992年5-6月 Conifer
I.3:56  II.3:55
ピアニストは作曲者の娘さん。ジャケには若い頃の美人な写真が貼ってあります。
ピアノがかなり良いです。はっきりと打鍵してて勢いあります。
オケも十分健闘してるんですが、ピアノに比べるともうちょっと頑張って欲しかった・・・
一貫して速いテンポですが、それが素直に高揚して受け止められます。
ピアノ版の中では一番好みの演奏。最初に薦めるならLubimov盤だけど。


キャサリン・ペリン;ハープシコード
Catherine Perrin,Harpsichord
イ・ムジチ・デ・モントリオール  ユーリ・トゥロフスキー指揮
I Musici de Montréal   Yuli Turovsky,Conductor
1996年8月19-23日 Chandos
I.4:10  II.4:15
技術的にはとりあえず問題ないのですが、どうもしっくりきません。
グレツキにはあまりない躍動感あふれる音楽のはずなのに、いまいち元気がありません。
Chojnackaのような鬼気迫る演奏をとまでは言いませんが、普通のクラシックのような風情で面白みがいまいち欠けるんです。
貴重なハープシコード版ですし、悪くはないので普通に聴けますが。


ジュリアン・ギャラント;ピアノ
Julian Gallant,Piano
オックスフォード・オーケストラ・ダ・カメラ  ステファン・アズベリー指揮
Oxford Orchestra da Camera  Stefan Asbury,Conductor
1994年5月 Medici Quartet
I.3:52  II.3:33
・・・普通。
べつだん悪いところなんてないし、まあソツなくこなしているんだけれど・・・
どうにも物足りない。ちょっとごたごたしたまま終わってしまう。
まあいいや、次のヒンデミット聴こ。


エルズビエタ・ホイナツカ;ハープシコード
Elzbieta Chojnacka,Harpsichord
ポーランド国立放送交響楽団  カジミェジュ・コルド指揮
National Polish Radio Symphony Orchestra  Kazimierz Kord,Conductor
2007年2月5日  Polskie Radio / Polskie Nagrania
I.4:44  II.4:28
ホイナツカの別録音が登場。
重々しい弦とさらに重々しい彼女のハープシコードが素晴らしい。さすがは初演者&被献呈者。
彼女の演奏で聴くと、この曲のソロパートがいかに音が混み合っているのかよくわかる。
つまり、一番メジャーなNonesuch盤のような聴きやすさはあまりなく、ごつごつとした音塊が容赦なく叩きつけられる。
この時期の彼の作品に顕著な混み合った和声がありのままに振舞っている姿を聴ける、
そういった意味でも実に貴重です。ただ、最初に聴かないほうがいい気もするなあ。


アンナ・グレツカ;ピアノ
Anna Górecka,Piano
ワルシャワ・フィルハーモニー管弦楽団  アントニ・ヴィト指揮
Warsaw Philharmonic Orchestra  Antoni Wit,Conductor
2011年4月28日 Naxos
I.3:46  II.4:00
第1楽章、早い速い。ちょっと埋もれ目な響きなのが残念ですが。
第2楽章は勢い含めてちょうどいい感じ。ノリが早すぎず遅すぎずでいい。
ただ、どちらかといえばやっぱり旧録のほうがいいと思う。


アンナ・グレツカ;ピアノ
Anna Górecka,Piano
シレジアン・フィルハーモニー管弦楽団  ミロスワフ・ブワシュチク指揮
The Silesian Philharmonic Symphony Orchestra  Miroslaw Jacek Blaszczyk,Conductor
2012年6/9月 DUX
I.3:51  II.4:01
娘のグレツカはこれが3つめの録音。ソロ演奏はやっぱりさすがに手慣れています。
テンポ結構速めではありますが、そこそこさらりと流してくれるので聴きやすくはある。
速い演奏は特に荒くなりがちなこの曲ですが、この演奏はその中でもいい感じにセーブが出来ていて良い。


レシェク・モジェル;ピアノ
Leszek Możdżer,Piano
モーション・トリオ
Motion Trio (Marcin Gałażyn/Janusz Wojtarowicz/Paweł Baranek,Accordion)
2013年? Akordeonus
I.3:16  II.3:31
アコーディオン3台というアンサンブルによるアレンジ演奏。
第1楽章、ぶっちゃけ異常に早い。何をそんなに急いでいるのかとつっこみたくなるくらい。
アコーディオンで伴奏の持続音を演奏しているための音長の制約上からなのか勘ぐりたくなる。
第2楽章はまだ(早いな)と思うだけでそこまでの違和感はないですが、逆に弦楽だけのパートが薄っぺらい。
まあラストは妙にかっこよく終わるので、むしろ中途半端な感じなのが残念。完全な色物でした。
ピアノはプレイスネル作品でおなじみの人物。技量は全員申し分ないだけにアレンジの奇異さが浮いてしまってる。




交響曲第三番から入った人にはこの曲なんかが次に入り易いところでしょうか。
ただし、交響曲第三番にくらべてとてもエネルギッシュです。グレツキの作品としては珍しい雰囲気。






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