Richard Toensing
Concerto for Flutes and Wind Ensemble,
Fantasia (of Angels and Shepherds), Concerto for Flutes and Orchestra
Leone Buyse,Fl. Carol Ou,Vc. John Kinzie/Scott Higgins,Perc.
National Symphony Orchestra of Ukraine Theodre Kuchar,Cond.
2001 Composers Recordings Inc. CRI CD 883
Mary Howe
Stars, Sand, Castellana: Romanesca on Spanish Themes, Suite for String Quartet and Piano,
Interlude Between Two Pieces, Three Pieces after Emily Dickinson, Spring Pastoral
Celius Dougherty/Vincenz Ruzicka,P. The Vienna Orchestra
Members of The Chamber Arts Society of the Catholic University of America
The Imperial Philharmonic of Tokyo William Strickland,Cond.
1998 Composers Recordings Inc. CRi CD 785
P.Q.Phan
Banana Trumpet Games
Banana Trumpet Games, Beyond th Mountains, Rough-Trax,
Unexpected Desire, My Language, Rock Blood
Pamela Decker,Org. E. Michael Richards,Cl. Kazuko Tanosaki,P.
Samaris Trio The University of Illinois Percussion Ensemble William Moersch,Con. etc.
2000 Composers Recordings Inc. CRi CD 849
Bernadette Speach
Reflections
Trio des Trois III, When it Rains,Lleuve, Chosen Voices,
Les ondes pour quatre, Angels in the Snow, Woman without Adornment, Viola
Anthony de Mare,P. Lois Martin/Rozanna,Vla. David Heiss,Vc.
Jeffrey Schanzer,G. The Arditti Quartet Bernadette Speach,Toy P./P./Con. etc.
2002 mode 105
ニューヨーク州出身、フェルドマンとレジャレン・ヒラーに作曲を学んだ
女性作曲家ベルナドット・スピーチ(1948-)の室内楽作品集。
「Trio des Trois III」ではピアノのややエキゾチックな趣もある伴奏音型に乗って
ヴィオラとチェロが息の長い旋律を奏でる。短いユニットの反復を基本に音楽を作っていくやり方は、
師のフェルドマンをすごく髣髴とさせる。ただし響きは完全に調性的でとても聴きやすい。
「When it Rains,Lleuve」はイヴァ・ミカショフの思い出に捧げられています。
プエルトリコを旅行した時の印象をベースにしているため、音楽構造も
ラテンのリズムと旋律がベースになっている。素朴で反復的な、美しいピアノソロ曲。
冒頭では本体を叩いたり、後半は奏者が歌ったりと、演奏は意外とせわしない。
プリペアド・ギターとトイ・ピアノのための「Chosen Voices」はジョン・ケージに献呈。
なるほどケージ作品でよく聴くような音響でスピーチ作品が演奏されてる。なお、ギター奏者は亭主さんとのこと。
「Les ondes pour quatre」はアルディッティの委嘱作品。
だからというわけではないでしょうが珍しく半音階的な音楽構造を基につくられています。
「雪の中の天使」はこの後の作品への前奏曲のようなものとして作られた付随的作品。
淡い冒頭から次第に輪郭がはっきりしていく、ジャズナンバーにも聴こえる流麗な曲。
その「飾らない女性」は、ここでも語りをしているThulani Davisの小説をテキストにした作品。
フュージョンジャズを意識した編成と音楽は、聴いていてサロンかどこかの音楽みたい。
ただ、その独特の反復的構造と簡素な響きは彼女の作風にしっかりと組み上げている。
後半は特に淡さの引き立つ曲が多い。個人的には、3曲目のベースがメインになる音楽が好き。
「ヴィオラ」は楽器であると同時に、捧げられている母の名前でもあります。
瞑想的な雰囲気も持つ、スピーチなりのロマン的作風ともいえそうな作品。
Jacob ter Veldhuis
Postnuclear Winterscenario No.3, De Zuchten van Rameau,
The Laws of Silence, Lucebert -Van Grote en Kleine Vogels, The Storm
Groningen Guitar Duo Annelie de Man/Thora Johansen,harpsichord Djoke Winkler Prins,Soprano
BVHaast CD 9606
ヤコブ・テル・フェルトハウス(1951-)の古い作品集を偶然ゲット。
「核の冬構想第3番」、これは幾多もあるこの曲の編成種類によって番号が変わるだけみたい。
彼の曲としては異常に簡素な、単音の旋律が重なっていく憂鬱な音楽。
これ、間違いなくグローニンゲン・ギター・デュオのCDに収録されてるのと同じ音源だ…残念。
「ラモーの溜息(The Sighs of Rameau)」はソロ楽器にテープ再生とプロジェクションが付随する彼お得意のパターン。
ラモーのクラヴサン組曲を基に構成された、バロック音楽の構成要素を再構築して見出していく試み。
まるでフリージャズのような淡いテープにハープシコードがアルペジオを重ねていく。
中盤になると次第にエコーからリズムが現れ出し、ポップながらもハープの舞のような綺麗な音が乱れ打ち。
後半にはロックのリフもサンプルに現れながら混沌としていきますが、最後は冒頭のような静けさに回帰する。
「The Laws of Silence」はテープ作品。「車椅子の物理学者」として有名な
スティーヴン・ホーキングの使う人工音声に興味を持って、これをサンプルに音楽を組み上げた模様。
彼の本領発揮、ポップに壮大に、楽しくてリズミカルだけど変てこな、サンプリングの醍醐味が味わえる。
なお、ここの音源は後年編集された短縮版で、本来はもっとあるらしい。
「ルチバート(Lucebert -On Birds Large and Small)」は1987年、比較的初期の作品。
オランダの芸術家であった彼の詩にテープ伴奏と歌唱を付けた、ポップ色の薄い作曲です。
ただ、そのテープ音響自体は近年の彼らしいところもあるので、ポップというかチープに聴こえなくもない。
3曲目なんかは、そのリズミックというか反復的な構成が近作を連想させる出来。
「嵐」は「ラモーの溜息」で使われなかったスケッチを再利用して作曲されたもの。
これらの作曲中に滞在していた友人作曲家宅の留守番電話などをサンプリングしています。
なんというか、ライヒの音声サンプリングみたいなことをしているけどインパクトはない。
ただ、その分バロックの残滓と一緒くたに淡々とミックスされていく感覚はこの上なく彼らしいポップさ。
2,3曲目が期待通りのアヴァンポップしてて最高でした。
9/10
John Rutter
Requiem
Justyna Stepien,S. Musica Sacra Warsaw-Praga Cathedral Choir Pawel Lukaszewski,Cho.Mas.
Lomza Chamber Philharmonic Jan Milosz Zarzycki,Cond.
2011 Musica Sacra Edition 034
ジョン・ラターの代表作「レクイエム」を総ポーランド勢で演奏。
2010年にスモレンスクで起きた、ポーランド空軍機墜落事故の追悼1周年として行われた演奏会からのライヴ録音。
「Requiem aeternam」、ティンパニの弱いリズムに始まる音楽は
どこか葬送行進を思わせながらも、音楽は非常に美しくラターらしい歌いまわし。
「Out of the deep」はチェロ独奏が重要な役割を果たす、暗めの音楽。
替わって「Pie Jesu」はとても穏やかで甘い、ラターの歌いまわしが炸裂した有名な楽章。
クラシックを超えてヒーリングに近い聴きやすさを兼ね備えています。
「Sanctus」はグロッケンや木管の響く、短くも輝かしい楽想。個人的にはラターはこういう部分が一番好み。
「Agnus Dei」は重苦しい葬送行進が鳴り響く、最もシンフォニックな楽章。
その意味では、一番ステレオタイプのレクイエムに近い音楽を聴けるともいえる。
「The Lord is my shepherd」はオーボエが旋律を奏でる点が、同じく詩編からの引用をしている
第2楽章との対応をしています。こちらもなかなか旋律美が光る綺麗な音楽。
「Lux aeterna」は最後に相応しい、穏やかなコラール風の旋律で終わる。
演奏は予想をはるかに超えて良かった。まあ、背景事情としても
大統領含む全員が死亡した第二次大戦以降のポーランドで最悪とも言われた事故の追悼式典ですから
演奏にも感情が籠っているのはよく分かる。録音もライヴと思えない良好さ。
9/3
Marc-Henri Cykiert
Capriccio Hassidico
Capriccio Hassidico, Phapsodie Herschel Grynszpan, Danse,Danse,Danse ,
Ta Mere Ne Reviendra Jamais, La Vie est une Petite Chanson
Michael Guttman,Violin Frederic Rzewski,Piano
1991 Editions Sowarex/Igloo IGL 095
ベルギー・リエージュ生まれ、ギターを学び音楽のみならず写真家としても活動する
作曲家(1957-)の、ヴァイオリンとピアノのための作品集。読みはマルク=アンリ・シキールで良いのかなあ…
解説がフランス語のみで、語学弱い自分には歯が立たぬ。
冒頭の「カプリッチョ・ハシディコ」、のっけから非常に激しい楽想でテンション上がる。
流石に爆走はすぐおさまりますが、基本的には鋭いピアノの伴奏リズムと荒々しいヴァイオリン。
「Phapsodie Herschel Grynszpan」はピアノの憂い気な冒頭から次第に力強く盛り上がる。
第1曲のピアノソロ部分は次第に暴力的なまでに激しくなるのがかっこいい。
アッタッカで入る第2曲、ヴァイオリンの旋律はいかにもユダヤ風。盛り上がりもある、表情豊かな20分近い音楽。
この人の曲は、基本的にユダヤというかジプシー音楽に色濃く影響されています。
「ダンス、ダンス、ダンス」はヴァイオリン独奏のための、短い21曲からなる変奏小品集。
民謡風の旋律を基に、ちょっとポロネーズ風の風味付けをした、7分半の音楽です。
「Ta Mere Ne Reviendra Jamais」はピアノソロのための12の変奏曲。
どうやら子守唄を主題にしているようです。そのため、これは比較的おとなしい。
もちろん、変奏の端々に爆発がありますが…それもあってやや前衛さが目立つ。
「La Vie est une Petite Chanson」はクレズマー音楽が主題に使われています。
これは比較的小品チックな、軽やかさを感じる楽想に仕上がっています。…最終楽章以外。
In Memoriam Hungarian Composers Victims of the Holocaust
Laszlo Weiner(1916-44); Duo
Pal Budai(?-1944~45?); Short Dances from the Ballet"Doll Doctor"
Sandor Kuti(1908-45); Sonata for Violin solo, Serenade for String Trio
Gyorgy Justus(1898-1945); Jazz Suite
Elemer Gyulai(1904-45?); Lullaby, Air
Sandor Vandor(1901-45); Air
Vilmos Szabadi,Vn. Peter Barsony,Vla. Ditta Rohmann,Vc.
Emese Mali/Marta Gulyas,P. Bernadett Wiedemann,Mezzo-Sop.
2008 Hungaroton HCD 32597
Points of Departure
William Bolcom; Machine from symphony no.5
Frank Ticheli; Concerto for Clarinet
Evan Chambers; Outcry and Turning
Michael Daugherty; Ladder to the Moon
Roshanne Etezady; Points of Departure
Daniel Gilbert,Cl. Yehonatan Berick,Vn.
University of Michigan Symphony Band Michael Haithcock,Cond.
2013 Equilibrium EQ 110
ボルコムの交響曲第5番終楽章編曲は機械的な強い推進力を味わえる。
こうして吹奏楽で聴くとよりリズムの分厚さが強調されていて悪くない。
ティケリの「クラリネット協奏曲」はガーシュウィン、コープランド、バーンスタインを
オマージュしたパロディの多い音楽。冒頭からラプソディー・イン・ブルーを丸パクリ。
第2楽章はコープランドの緩徐楽章を意識した、淡くも開放的な音楽で良い。
第3楽章はバーンスタイン。タイトルもそうだし、この編成だと
彼の「プレリュード、フーガとリフ」を強く思い起こさせます。
エヴァン・チェンバース作品はイラク戦争への警鐘を込めて書かれた作品。
混沌とした冒頭から次第にリズムを伴って激しくなっていく音楽はとてもかっこいい。
劇的な構成の、難しくも挑戦し甲斐のありそうな曲です。気に入った。
ドアティ作品はヴァイオリンソロを管楽八重奏とコントラバス、打楽器がサポート。
ジョージア・オキーフの絵画にインスパイアされた音楽です。
第1楽章はニューヨークの夜を描いた、ドアティらしいクールさを聴ける。
第2楽章はまた別の都市風景、ヴァイオリンのカデンツァを挟んで
強いリズムを放つドアティの音楽が持つビートがアメリカ精神らしい音楽を組み上げる。
ボルコムやドアティらに学んだ女性作曲家(1973-)の作品は、朗読をメインに据えた歌曲集。
様々な旅の形態を記した自身のテキストを、メゾソプラノが歌う。
音楽としては、歌い方もあってなんだかジョン・アダムスを聴いているよう。
彼の「I was Looking at the Ceiling」みたいな感じがもうちょっとクラシカルになったような
妙に聴きやすい快活さがある。個人的には良いけれど、一般としてはどうなんだろう。
第4楽章はスチールパンまで使ってカリビアンな雰囲気満載。
なんというか清々しいまでにポップなところが前述の作品と共通している。
8/8
Absolute Value of Noise and Lori Weidenhammer
The Laughing Dress
Laberintos
Herbert Vazquez; Los Laberintos del Sueno
Maria Granillo; Trance
Georgina Derbez; Cuarteto de Cuerdas No.1
Horacio Uribe; Trio No.1
Armando Luna Ponce; Sonata de Camara No.2
Onix Ensemble Jose Arean,Cond.
2006 Urtext UBCC 130
Otto Ketting
Time Machine, For Moonlight Nights, Symphony for Saxophones and Orchestra, Monumentum
Rotterdam Philharmonic Orchestra Edo de Waart,Con.
Abbie de Quant,Fl. Radio Philharmonic Orchestra Otto Ketting,Con.
Netherlands Saxophone Quartet Concertgebouw Orchestra Bernard Haitink,Con.
Ensemble of the Rotterdam Concervatory Otto Ketting,Con.
Donemus / Composers' Voice CV 21
Repeat!
Laszlo Sary; Pebble Playing on a Pot, Canon
Arvo Part; Pari Intervallo, Spiegel im Spiegel
Luc Ferrari; Madame de Shanghai
Louis Andriessen; Lacrimosa, De Lijn
Salvatore Sciarrino; Immagine Fenicia
Tom Johnson; Kirkman's Ladies -Rational harmonies in three voices, 32 Breaths
Kevin Volans; Walking Song
John Cage; Ryoanji
Morton Feldman; Trio for Flutes
Alvin Lucier; 947
Stefano Scodanibbio; Ritorno a Cartagena, Voyage Resumed
Aldo Clementi; Canzonetta, Parafrasi 2
Viktor Ekimovsky; In Canes Venatici
Jonathan Harvey; Ricercare una Melodia
Zoltan Jeney; Landscape ad Hoc
Come Dance With Me
Alberto Ginastera; Danzas Argentinas, Suite de Danzas Criollas
Joaquin Turina; Danzas Gitanas Op.55
Olivier Messiaen; Prelude No.1 & 8 from eight preludes
Ernesto Lecuona; La Comparsa, Malaguena
Andre Mathieu; Prelude No.5 'Prelude romantique'
Zygmunt Stojowski; Vision de danse Op.24-4, Intermezzo-Mazurka Op.15-2, mazurka fantasque Op.28-1
George Gershwin; Prelude No.3 from three preludes
Henryk Mikolaj Gorecki; Four Preludes Op.1
Frederic Mompou; Canciones y Danzas
Katarzyna Musial,Piano
2013 Meridian Records CDE 84621